位相とは電流(交流電流:AC)や音波などの波形の位置。
山と谷を繰り返している音の周期的な波形において、
ある時点で振動の課程がどの段階にあるのかをしめす変数です。
多くの楽器が重なると、
位相が乱れて音が聴き取りづらくなったり、
ある点では音が増幅したり、逆に打ち消しあったりします。
よく聞く言葉ギャクソウ
基準と同じものを正位相と呼ぶのに対し、
180度逆にしたものを逆位相と呼びます。
図で言うと上下を逆にしたような見た目ですね。
よく現場で、
「ギャクソウだねー」
「ギャクソウかもしれない」
とエンジニアが言っているこのギャクソウは
逆相(ギャクソウ)と書いて、
この逆位相(ギャクイソウ)のことを指します。
また、同じオーディオファイルを2つ用意して、
一方を逆相(180度の位相のズレ)にして再生すると、
音が打ち消し合って無音の状態になります。
ノイズキャンセリングはこの技術を使用
ノイズ・キャンセリングはこの打ち消しの技術でノイズを消去させています。
ノイズ・キャンセリングヘッドフォンなどはこの技術を応用して、
外部の環境ノイズ(外の音)を打ち消し、
よりヘッドフォンからの音を聴こえるようにしています。
フェーズスイッチの意味と使用例
フェーズスイッチとは流れてくる信号を逆位相に変えるスイッチです。
もっとも使用されるのはスネアのボトムでしょうか。
スネアのトップに立てたマイクの音と
スネアのボトムに立てたマイクの音が上記の逆位相にあたり、
距離・マイキング場所にもよるのですが、位相がずれてしまい、
本来の欲しい音が打ち消し合ってしまいます。
せっかく収録したのに、これじゃあ困っちゃいますよね。
フェーズスイッチを入れることにより、
多くの場合、打ち消し合っていた部分が改善されます。
この位相に関しては録り音の影響だけではなく、
スタジオの環境(壁やテーブル・物からの反射)
スピーカーと自分の位置や
複数のスピーカーを使用するなどによって
自分の耳に届くまでの時差が位相に影響するため、
モニタリングでは位相とは何かを把握し、
モニタリング環境を整える必要があります。