リップノイズとは、口の中の乾燥した舌や唇の湿り気などによって生じる
「ピチャピチャ」「ペチャペチャ」といった雑音です。
鼻を啜る音や歯が「カチカチ」と当たる音など類因の雑音全てを指す事もあります。
通常作業として、このノイズは取り除きますが、
囁く(ささやく)ように歌うヴォーカルやナレーションなどを録音する際には、
リップノイズが顕著に出てしまうため、特に注意して丁寧に除去する必要があります。
EQなどの高域フィルタによって「リップ・ノイズ」を除去を試みることもありますが、
音声自体も「乾いた」印象や、こもった感じの音になる事も多く、場合によりけりのため、おすすめしません。
また、歌唱中にハンカチなどで唇だけを乾かしたり、歌唱時に空腹を感じていると唾液の分泌が増える為、
適度な水分補給をしつつ、固形物を摂って空腹感を抑えるといった具体策がとられる事もあります。
別記事の「ブレス・ノイズ」と似ていますが、
それ自体が歌唱者の「個性」として認知されている事もあります。
ロックやポップスでは稀に、意図的にリップ・ノイズを強調する目的で、歌唱者がガムを噛みながら歌ったり、
歌う直前まで飴などを舐めて口唇を潤わせるという手法が行われる事があるようです。
発声の工夫によりリップノイズを軽減させることが可能であり、
特に、ナレーターや声優にとっては、
リップノイズによるリテイクを防ぐためにも、
なるべく工夫して最小限に留めることをおすすめします。